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リッチメニューの作り方|成果が出る設計と押されない失敗例

2026.11.05  /  LINEマーケ研究所

リッチメニューの作り方|成果が出る設計と押されない失敗例

1. リッチメニューとは?作り方の前に「運用の目的」を決める

リッチメニューとは、トーク画面の下に常に出る入口です

リッチメニューとは、LINE公式アカウントのトーク画面の下部に固定で表示される、画像付きのメニューです。配信メッセージのようにトークの中で流れていかないため、友だちがいつ開いても同じ場所にあります。予約、問い合わせ、クーポン、よくある質問など、アカウントの「常設の入口」を置く場所だと考えてください。

名前が似ているリッチメッセージは、画像にタップエリアを設けて「配信する」コンテンツです。LINEヤフー for Businessの公式マニュアル「リッチメッセージマニュアル」(https://www.lycbiz.com/jp/manual/OfficialAccountManager/rich-messages/)でも、メッセージアイテムから作成し、タップエリアごとにアクションを設定する配信用のものとして説明されています。流れていくのがリッチメッセージ、残り続けるのがリッチメニュー、と覚えておけば混同しません。

最初の打ち合わせで聞くのは「何のために運用しているか」

私たちがリッチメニューを初めて作る会社と打ち合わせをするとき、最初に聞くのはボタンの候補ではありません。「どんな目的があってこのアカウントを運用しているのか」です。デザインもボタンの個数も、この答えによって変えています。

たとえば、来店予約を増やしたいアカウントと、無料相談の申し込みを増やしたいアカウントでは、メニューの形が変わります。前者なら予約・クーポン・アクセスのように、来店までに必要な情報を並べる形が合います。後者なら相談の入口を大きく取り、ほかのボタンは申し込み前の不安を減らす情報に絞る形が合うでしょう。

目的を決めずに作ったメニューで起きること

目的が決まらないまま作ると、ボタンは「載せられるものを全部載せる」方向に増えていきます。ホームページ、Instagram、会社概要、お知らせと並べるうちに6枠が埋まり、すべて同じ大きさで並びました、という状態です。見た目は整っていても、友だちは何を押せばいいのか判断できません。

初期のままのメニューや「とりあえず作った」メニューの見直しも、出発点は同じです。画像を作り直す前に、目的を一文で言えるかを確かめます。この一文が、2章以降で扱うボタン選び・失敗の点検・見直し・ツール選びのすべての判断基準になります。

2. 6枠に何を入れる?目的・CV条件・出せるコンテンツの順に決める

打ち合わせで確認する3つのこと

ボタンの中身を決めるとき、私たちは次の3つを順に確認しています。

  1. アカウント運用の目的(なぜLINEで友だちとつながっているのか)
  2. CVの条件(友だちが何をしたら「達成」とするのか)
  3. そのサービスで提供できそうなコンテンツ(ボタンの先に置ける中身があるか)

1つ目は1章で触れた目的です。2つ目のCV条件とは、成果の定義のことです。「問い合わせフォームの送信」なのか、「来店予約の完了」なのか、「無料相談の日程確定」なのかを一つに決めます。ここが曖昧なままだと、6枠のうちどれが成果に近いボタンなのかを決められません。

3つ目は見落とされがちな確認です。「よくある質問」のボタンを置きたくても、答えるべき質問が整理されていなければ、ボタンの先は空っぽになります。事例紹介、料金の目安、サービスの流れなど、実際に用意できる中身を先に洗い出し、ボタンはその中から選びます。

6枠の中身を決める順番

次の図は、6枠の中身を決めるまでの順番を4つのステップにまとめたものです。

リッチメニューの6枠を決める4ステップ:1運用の目的を一文で決める、2CV条件を一つに決める、3提供できるコンテンツを洗い出す、4ボタンごとに置く理由を1行で書く

ポイントは、最後に「ボタンごとに置く理由を1行で書く」工程を入れていることです。理由が書けないボタンは、3章で扱う「押されないボタン」の候補になります。画像を作るのはこの4つが終わってからで十分です。

ボタンの数は「埋める」ものではない

標準のテンプレートは、大で最大6エリア、小で最大3エリアまで分けられます。ただ、6つに分けられるからといって6つ置く必要はありません。CV条件が「無料相談の申し込み」一つなら、申し込みを大きな1枠にして、補足の情報を2〜3枠に置く構成も十分に成り立ちます。

私たちは目的によってボタンの個数を変えています。来店・予約型のように友だちが用途ごとに使い分けるアカウントは、枠を多めに取ることがあります。逆に、一つの行動をしてほしいアカウントは、枠を減らすほど迷いが減ります。

管理画面でのリッチメニューの作り方

中身が決まったら、LINE公式アカウントの管理画面で作成します。手順そのものはシンプルです。

  1. テンプレート(大・小と分割の形)を選ぶ
  2. 画像を用意してアップロードする
  3. 各エリアにアクション(リンク、クーポン、テキストなど)を設定する
  4. 表示期間とメニューバーの文言を決めて保存する

画像の仕様は、Lステップ公式ブログ「LINE公式アカウントのリッチメニューの設定方法と10のデザイン例」(https://linestep.jp/2022/05/17/line-official-account-richmenu/、2022年5月公開)によると次のとおりです。テンプレートは12種類あり、形式はJPG・JPEG・PNG、容量は1MB以下とされています。

種類画像サイズ最大エリア数
大2500×1686px/1200×810px/800×540px6
小2500×843px/1200×405px/800×270px3

仕様は変わることがあるため、作成前に管理画面の表示もあわせて確かめてください。手順と仕様はどの解説を読んでも同じ内容です。差がつくのは、その前にある3つの確認のほうです。

3. リッチメニューが押されない失敗例:そのボタンの理由を説明できない

作り直しの相談で一番多い形

「リッチメニューが押されない」と作り直しの相談を受けてメニューを見ると、ほとんどのケースに共通していることがあります。それぞれのボタンがなぜ必要なのか、納得のいく説明ができていないことです。担当者に理由を聞くと、「なんとなく」「よく見かけるので」という答えが返ってくることが少なくありません。

理由のないボタンは、友だちにとっても押す理由がありません。ここでは、現場でよく見る失敗をパターンごとに書きます。

失敗パターン1:流入元と同じSNSへのボタンを置いている

典型的なのが、Instagramへ誘導するボタンです。友だちの多くがInstagramのプロフィールや投稿からLINEに来ているのに、リッチメニューにわざわざInstagramへ戻るボタンを置いているアカウントを何度も見てきました。

Instagramのボタン自体が悪いわけではありません。たとえば店頭のQRコードから友だちになる人が多いアカウントなら、普段の雰囲気を見てもらう入口として意味を持つ場合もあります。問題はボタンの種類ではなく、その動線に意味があるかを改めて考えていないことです。

失敗パターン2:初見で何のボタンかわからない

もう一つ多いのが、設計・デザイン・作りが複雑すぎるメニューです。受け手はそのリッチメニューを初めて見ます。初見でどこに何があり、押すと何が起きるのかをイメージできなければ、どれだけ作り込んでも意味がありません。

作った側は中身を知っているため、わかりにくさに気づけません。社内で、メニューを見たことのない人に「どこを押せば予約できるか」を聞いてみると、迷う場所がすぐに見つかります。

失敗パターン3:すべてのボタンを同じ重みで並べている

6枠を均等に割り、どのボタンも同じ大きさ・同じ色で並べる形です。どれも目立たないため、一番押してほしいボタンが埋もれてしまいます。目的とCV条件が決まっていれば、どのボタンを大きくすべきかは自然に決まります。具体的な直し方は4章で書きます。

押されないメニューの点検項目

次の図は、ここまでの失敗パターンと、4章・5章で扱う症状を点検項目にまとめたものです。

押されないリッチメニューの点検チェックリスト:流入元と同じSNSへのボタンがある、置いた理由を説明できないボタンがある、押すと何が起きるか言葉でわからない、6枠が同じ大きさで並んでいる、問い合わせボタンの周りにボタンが多い、配信でメニューに触れていない

当てはまる項目があるボタンは、置く理由をもう一度言葉にしてみてください。説明できなければ差し替えか削除の候補です。2章の「理由を1行で書く」工程を、今あるメニューに当てはめる作業だと考えると進めやすくなります。

4. 問い合わせボタンを目立たせても押されないときの3つの直し方

問い合わせや無料相談がゴールのアカウントでは、問い合わせボタンを一番目立つ場所に置いても押されないことがあります。BtoBのサービスや高額な商品は、来店・予約型と比べて友だちの迷いが大きいためです。こうしたとき、私たちが手を入れるのは次の3つです。

直し方1:ほかの機能を減らす

最初にやるのは、問い合わせ以外のボタンを減らすことです。問い合わせボタンを大きくしても、周りに5つのボタンがあれば視線は分散します。会社概要、SNS、お知らせなど、CV条件に直接つながらないボタンを外し、空いた分を問い合わせの枠に回します。

何を外すかの基準は、3章と同じ「置く理由を説明できるか」です。たとえば「料金の目安」は問い合わせ前の不安を減らすので残す、「会社概要」はホームページで足りるので外す、という判断になります。

直し方2:バナーのようなデザインに変える

次に、問い合わせボタンの見た目を、アイコンと短い文字の組み合わせから、広告バナーのようなデザインに変えます。ボタンに「何が受けられるのか」まで書き込むと、押した先が想像しやすくなるためです。

一番大事なボタンの位置については、上位の解説記事でも「左上か右下」「左上か中央」と意見が分かれています。私たちが現場で先に手を入れるのは、位置の微調整ではありません。ほかのボタンを減らし、問い合わせをバナー型にして、初見で「ここを押せばいい」とわかる状態にすることです。

直し方3:配信とリッチメニューを連動させる

3つ目は、配信とリッチメニューをつなげることです。リッチメニューは置いてあるだけでは存在を意識されにくく、配信の中で触れることで初めて使われる入口になります。

たとえば、次のような組み合わせが考えられます。いずれも仮の例です。

配信の内容(例)配信の締めの一文(例)つなげるリッチメニューのボタン
導入までの流れの紹介詳しく聞きたい方は、画面下のメニュー「無料相談」からどうぞ無料相談のバナー
よくある質問への回答ほかの質問は、メニューの「よくある質問」にまとめていますよくある質問
料金の考え方の説明自社の場合の目安は、メニューの「無料相談」で確認できます無料相談のバナー

配信の文末で「画面下のメニューの○○から」とボタンの名前を出すと、友だちはリッチメニューを探す理由を持てます。配信で扱うテーマとボタンの名前をそろえておくことも欠かせません。配信では「無料相談」と書いたのに、メニューのボタンが「お問い合わせ」では、同じものだと気づかれにくくなります。

5. 公開1〜2か月後の見直し:タップされているかで差し替えを決める

見るのは「タップされているかどうか」

リッチメニューを公開して1〜2か月たったら、私たちが見るのは、それぞれのボタンがタップされているかどうかです。最初から多くの指標を追う必要はありません。ボタンが押されているか、押されていないかを確かめるところから始めます。

タップの数は、LINE公式アカウントの管理画面の分析で確認します。ボタンの行き先がWebサイトなら、URLに計測用のパラメータを付けておくと、アクセス解析側でも「リッチメニューから来た人」を見分けられます。

「○%を下回ったら差し替え」という基準値は置いていない

私たちは、友だち数に対して何%を下回ったら差し替える、という一律の基準値は設けていません。目的やCV条件がアカウントごとに違うため、同じ数字で線を引くことに意味が薄いからです。

代わりに、次の観点で比べています。

比べやすくするために、ボタンごとのタップ率を出しておくと便利です。式は「ボタンのタップ数÷リッチメニューの表示回数」です。たとえば表示が1,000回で、無料相談のボタンが20回、Instagramのボタンが3回なら、タップ率は2%と0.3%になります。数字の良し悪しを外の平均と比べるのではなく、自分のメニューの中で比べるために使います。

症状別の原因と直し方

タップの数を見たあとの判断を、症状ごとに表にまとめます。原因と対処は、3章・4章で書いた内容に対応しています。

見えた症状考えられる原因直し方
CV条件につながるボタンが押されないほかのボタンに埋もれているほかを減らす、バナー型にする(4章)
特定のボタンだけほとんど押されない置く理由がない、言葉で中身が伝わらない理由を書き直す。説明できなければ外す(3章)
メニュー全体があまり押されないメニューの存在が意識されていない配信の中でボタンの名前を出す(4章)
押されているが成果につながらないボタンの先に置いた中身が弱い提供できるコンテンツの確認に戻る(2章)

この表から言えるのは、差し替えの判断が「数字が低いから外す」だけでは終わらないということです。押されない理由が「置く理由がない」のか「気づかれていない」のかで、打つ手は変わります。

6. 標準機能で十分か、Lステップが必要か:「見た目のため」なら入れない

まず確認するのは、お金をかける価値があるか

タブの切り替えや、友だちの属性ごとの出し分けをしたいという理由で、Lステップを入れるべきかという相談をよく受けます。LINE公式アカウントの標準の設定だけでは、属性ごとの出し分けやタブ切り替えはできないため、こうした機能にはLステップなどの拡張ツールか、Messaging APIを使った開発が必要です。

このとき私たちが最初に確認するのは、そこにお金をかけるだけの価値があるかどうかです。見た目を良くするためだけにセグメントリッチメニュー(Lステップのリッチメニュー)を使うなら、あまりおすすめしていません。もちろん見た目を整えることはとても大切です。ただ、見た目は標準機能の画像でも十分に整えられます。

標準機能で十分な3つのケース

Lステップを入れることでメリットにつながる場面は多いと私たちは考えています。そのうえで、次のどれかに当てはまる場合は、Lステップのリッチメニューをおすすめしていません。LINE公式アカウントの標準機能で十分だという判断です。

  1. 友だち追加数が見込めない
  2. 細かく分析をする必要がない
  3. 事業者側からの連絡(配信)がほとんどを占める

1つ目は、出し分けの前提にかかわります。友だちが少ないうちは、属性ごとにメニューを分けても、それぞれのメニューを見る人がわずかです。2つ目は、タップの数を見て差し替えるだけなら、5章のように標準の分析で足りる場合が多いためです。3つ目は、友だちがメニューから何かを選ぶより、こちらからのお知らせを受け取る使い方が中心なら、メニューを作り込んでも使われる機会が限られるという意味です。

Lステップを検討するのはどんなときか

逆に言えば、友だち追加が継続して見込めて、反応を細かく分析したく、友だちの側からの行動(回答・予約・申し込み)が多いアカウントでは、Lステップのリッチメニューが活きる余地があります。友だちの状態に合わせてメニューを切り替えれば、CV条件に近いボタンをその人に合った形で見せられるからです。

次の図は、標準機能で十分なケースと、Lステップを検討するケースを項目ごとに比べたものです。

標準機能で十分なケースとLステップを検討するケースの比較表:友だち追加の見込み、分析の必要、やり取りの形、導入の理由の4項目

比べてみると、判断の軸はツールの機能ではなく、自社のアカウントの状態だとわかります。なお、Lステップ公式の「Lステップの『リッチメニュー』を使った導入事例8選」(https://linestep.jp/2026/07/28/richmenu-case-study)には売上や予約数が伸びた事例が載っていますが、リッチメニューを含む導入全体の成果です。メニュー単体の効果として読まないよう注意してください。ツールを選ぶときも、2章で各ボタンに求めたのと同じく「なぜ必要か」を説明できるかが基準になります。

まとめ:ボタンの理由を説明できるメニューが成果を出す

明日からできることを1つ挙げるなら、今のリッチメニューのボタンを紙1枚に書き出し、それぞれの横に「なぜこのボタンが必要か」を1行で書いてみてください。1行で書けなかったボタンが、最初に差し替えるボタンです。

よくある質問

リッチメニューのボタンはいくつがいいですか?

決まった正解の数はなく、運用の目的で変えます。友だちが用途ごとに使い分ける来店・予約型は枠を多めに、一つの行動をしてほしい問い合わせ型は枠を少なくするほうが迷いが減ります。6枠あるから6つ埋める、という考え方はおすすめしていません。

一番大事なボタンはどこに置けばいいですか?

位置については解説記事の間でも意見が分かれています。私たちは位置の微調整より先に、ほかのボタンを減らし、大事なボタンをバナーのような見た目にして、初見で押す場所がわかる状態にすることを優先しています。

リッチメニューの効果はどうやって測ればいいですか?

公開から1〜2か月たったら、管理画面の分析でボタンごとにタップされているかを確認します。一律の基準値で判断するのではなく、「ボタンのタップ数÷メニューの表示回数」でタップ率を出し、自分のメニューの中で比べて差し替えを決めます。

Lステップを入れないとリッチメニューは使いこなせませんか?

そうとは限りません。友だち追加数が見込めない、細かい分析がいらない、配信が中心という場合は、LINE公式アカウントの標準機能で十分です。見た目を良くするためだけにLステップを入れることはおすすめしていません。

リッチメニューとリッチメッセージは何が違いますか?

リッチメニューはトーク画面の下に固定で表示され続けるメニューです。リッチメッセージはタップエリアを設けた画像を配信するもので、トークの中で流れていきます。常設の入口にするならリッチメニュー、その時々のお知らせならリッチメッセージと使い分けます。

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熊野 孝城郎

WRITER

熊野 孝城郎

株式会社Sales Index 代表取締役/LINEマーケティング ディレクター

前職では新規開拓の営業に従事。ひとりで売上を伸ばすことの限界と、人のつながりが生む成果の大きさを実感し、2025年2月に株式会社Sales Indexを設立。D2C企業のLINE公式アカウント構築・運用と、CRM設計による売上改善を手がける。

法人営業 経験6年 Lステップ正規代理店 養成講座 第3期 グランプリ受賞

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