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Lステップを使いこなせない理由と解決策|最初に見る3つの設定

2026.11.06  /  LINEマーケ研究所

Lステップを使いこなせない理由と解決策|最初に見る3つの設定

1. Lステップを使いこなせないのはなぜ?原因は機能の多さより「構築の土台」にある

Lステップとは、LINE公式アカウントと連携し、配信の出し分けや顧客情報の管理、自動のシナリオ配信を行えるようにするツールです。入れただけで売上が伸びる道具ではありません。最初の構築と、その後の運用がそろって初めて成果につながり、使いこなせないアカウントの多くはこのどちらかが欠けています。

LINEそのものは、顧客との接点として外せない存在です。LINEヤフー株式会社のプレスリリース「LINE、国内月間利用者数が1億ユーザーを突破」(2026年1月29日、https://www.lycorp.co.jp/ja/news/release/020058/)によると、2025年12月末時点で国内の月間利用者数は1億人を超えました。それだけに、月額費用を払いながら一斉配信しか使っていない状態は、もったいない投資になっています。

「スキル不足」とまとめると、直す場所を間違える

使いこなせない理由としてよく挙がるのは、担当者のスキル不足、配信内容のずれ、友だち数の少なさなどです。どれも間違いではありません。ただ、並べただけでは、目の前のアカウントがどれに当たるのかはわかりません。

ただし現場で止まったアカウントを見せてもらうと、配信文や担当者の腕より手前の、構築そのものに原因が見つかることがよくあります。私たちが初めてアカウントを見るとき、最初に開くのは配信の履歴ではなく、友だち追加時設定です。ここを見ると、そのアカウントがどんな考えで作られているのかが大体わかります。

使いこなせない状態は「土台」と「時間」の2つの欠落で起きる

私たちは、Lステップが止まる原因を大きく2つに分けて考えています。1つは、友だち追加時設定やタグなど、データを集める土台が欠けていることです。もう1つは、運用に必要な時間が確保できていないことです。

土台の話は2〜4章で、見る順番とよく見かける状態を具体的に書きます。時間の話は5〜6章で、どのくらいの時間が要るのか、時間がない会社はどうするのかを書きます。どちらも「機能をもっと覚える」より先に手を付けるべきところです。

2. 最初に見るのは友だち追加時設定:ここで構築の質がわかる

止まったアカウントを見直すときは、友だち追加時設定、タグと友だち情報欄、シナリオ配信・流入経路分析・URL設定の順に確認します。土台に近いところから確かめれば、上の層で起きている不具合の原因を、下の層までたどれるからです。

次の図は、私たちがアカウントを初めて見るときの確認の順番を3つの段階にまとめたものです。

止まったLステップを見直す確認の順番:STEP1 友だち追加時設定(追加日とCVまでの日数が取れているか)、STEP2 タグと友だち情報欄(粒度と命名がそろっているか)、STEP3 シナリオ配信・流入経路分析・URL設定(実際に動いて計測できているか)

図のとおり、順番は「土台→データの持ち方→配信と計測」です。配信がうまくいかない原因をたどっていくと、1番目の友だち追加時設定に行き着くことも珍しくありません。

友だち追加時設定とは

友だち追加時設定とは、LINEで友だち追加された瞬間に自動で動く処理をまとめた設定です。あいさつのメッセージを送る、タグを付ける、友だち情報欄に値を書き込む、シナリオ配信を始める、といった動きをここで決めます。すべての友だちが必ず通る入口なので、ここが薄いと後ろの仕組みもすべて薄くなります。

「この構築は後で困る」と判断する設定

私たちが「この構築は使いこなせなくなりそうだ」と判断するのは、必ず入っていなければいけない設定が抜けているときです。代表的なのが、友だち追加日の取得と、CVまでの日数の計測です。CV(コンバージョン)とは、購入や予約など、アカウントで目標にしている行動のことです。

これらがないと、運用を始めてからのデータ管理や分析が苦しくなります。たとえば「登録から何日目に予約する人が多いか」がわからなければ、シナリオ配信を何日目に送るかを根拠なく決めることになります。配信の改善も、勘に頼るしかありません。

途中から足すと、データの条件がそろわない

友だち追加時設定は、運用が始まったあとに直すこともできます。ただし、設定を入れる前に登録した友だちと入れた後の友だちでは、記録されている情報がそろいません。分析の母数が途中で変わるので、数字を比べにくくなります。

だからこそ、使えていないアカウントを立て直すときも、最初に手を付けるのはここです。友だち追加日とCVまでの日数が取れているかを確かめ、抜けていればまず足します。配信文の見直しは、その後でも十分に間に合います。

3. タグと友だち情報欄は「数」ではなく「粒度」で見る

友だち追加時設定の次に確認するのが、タグと友だち情報欄です。タグとは友だちに付ける目印、友だち情報欄とは友だちごとに日付や回答などの値を保存しておく項目のことです。ここで見るのは、いくつ作られているかではなく、どんな粒度(細かさ)で設定されているかです。

粒度が合っていないと、出し分けに使えない

粒度が粗すぎると、タグがあっても配信の出し分けに使えません。たとえば美容サロンのアカウントに「関心あり」というタグが1つしかなければ、カットに興味がある人とカラーに興味がある人を分けて送れません。逆に細かすぎると、担当者が付け方を覚えきれず、付け忘れが積み重なっていきます。

確認するときは、次のように「何に使うか」が名前から読み取れる程度にそろっているかを見ます。以下は、たとえば美容サロンで付ける場合の命名の例です。

名前の付け方に決まりがあれば、引き継いだ人でも中身を読み解けます。決まりがなく似た名前のタグが並んでいるアカウントは、作った人以外がさわりにくくなっています。

そもそも使われていないアカウントもある

粒度以前に、タグと友だち情報欄がほとんど使われていないアカウントもあります。少ししか活用できていないケースはよく見かけますし、ひどいものだと、まったく使われていないアカウントまでありました。この状態では、Lステップを入れていても、中身はLINE公式アカウントの一斉配信とほとんど変わりません。

その後に見る:シナリオ配信・流入経路分析・URL設定

土台とデータの持ち方を確かめたら、最後にシナリオ配信、流入経路分析、URL設定を確認します。シナリオ配信とは、友だち追加からの日数などに合わせて決めた順番でメッセージを自動で送る配信です。流入経路分析はどのQRコードやURLから友だち追加されたかを計測する機能で、URL設定はメッセージ内のリンクがクリックされたかを測るための設定です。

次の表は、ここまでの確認の場所と、要注意のサインをまとめたものです。

確認する場所見るところ要注意のサイン
友だち追加時設定追加日とCVまでの日数が取れているか記録する設定が入っていない
タグ・友だち情報欄粒度と命名がそろっているかほぼ空、または名前がばらばら
シナリオ配信実際に友だちへ届いているかメッセージはあるのに配信されていない
流入経路分析登録の入口ごとに分かれているか入口が1つにまとまっている
URL設定リンクのクリックを測れているか計測しないURLのまま貼っている

表の上の行ほど、すべての友だちに関わる土台です。下の行で不具合を見つけても、先に上の行に原因がないかを確かめると、同じ直しを何度もくり返さずに済みます。

4. 構築代行のあとに止まったアカウントで見かける3つの状態

構築代行で作ってもらったのに止まっているアカウントを引き継ぐと、中身に共通の状態が見つかります。私たちが過去に引き継いだアカウントで実際にあったのは、次の3つです。どれも「作られているか」ではなく「正しく動いているか」を確かめると見つかります。

パターン1:テンプレートがパック化されていない

テンプレートのパックとは、テキストや画像など複数のメッセージを1つにまとめて送れるようにしたものです。通常のテキストとバナー画像をセットで配信するとき、パック化していれば配信通数の消化は1通ですが、パック化していないと2通になります。同じ内容を送っているのに、通数だけが倍になっているわけです。

10,000人に配信した場合、パック化していれば10,000通、していなければ20,000通です。計算は「友だち数×1回あたりの消化通数×月の配信回数」で、自社の数字を当てはめて確かめられます。

ケースパック化ありパック化なし
10,000人に1回配信10,000×1=10,000通10,000×2=20,000通
たとえば10,000人に月4回配信10,000×1×4=40,000通10,000×2×4=80,000通
たとえば3,000人に月4回配信3,000×1×4=12,000通3,000×2×4=24,000通

Lステップの料金プランは、配信できる通数で分かれています。Lステップ公式ブログ「Lステップ4つの料金プランとは?LINE公式アカウントとの合算料金も解説」(https://linestep.jp/2021/07/09/line-lstep-price/)では、スタンダードプランで配信できるのを30,000通までとしており、LINE公式アカウント側の費用も別にかかると書かれています(金額は公式の料金ページで最新のものを確認してください)。通数が倍になれば、それだけ早く上限に近づき、コストに大きく響きます。

防ぎ方は、テキストと画像をセットで送る配信を、パックにまとめてから送ることです。過去の配信履歴を開き、同じ時刻に2通以上へ分かれて送られているものがあれば、パック化されていない可能性があります。

パターン2:タグ・友だち情報欄がまったく使われていない

3章で触れたとおり、タグと友だち情報欄が少ししか使われていないアカウントはよく見かけます。構築代行のあとで止まったアカウントでは、まったく使われていないものまでありました。出し分けもできず、誰が何に反応したかも残らないため、配信は結局一斉配信に戻ってしまいます。

防ぎ方は、いきなり細かく作り込まず、「どこから登録したか」「何を買ったか」のように使い道がはっきりしたものから付けることです。友だち追加時設定で自動的に付く形にしておけば、担当者の手間はほとんど増えません。

パターン3:シナリオ配信の設定が作動していない

配信するメッセージの作成は終わっているのに、シナリオ配信の設定ができておらず、友だちに何も届いていないケースです。管理画面にはメッセージが並んでいるので、一見すると完成しているように見えます。そのため、担当者が気づきにくい状態になっています。

防ぎ方は、シナリオを作ったらテスト用のアカウントで実際に友だち追加し、決めた日数どおりにメッセージが届くかを確かめることです。友だち追加時設定でシナリオの開始が設定されているかも、あわせて確認します。

次の図は、3つの状態と、そのとき起きていること、確認のしかたを1枚にまとめたものです。

構築代行のあとに止まったアカウントで見かける3つの状態:パック化されていない(テキスト+バナーが2通消化、1万人で2万通)、タグ・友だち情報欄が未使用(出し分けできず一斉配信と同じ)、シナリオが作動していない(メッセージはあるのに届かない)と、それぞれの確認のしかた

3つとも、新しい機能を覚えなくても、今ある設定を確かめるだけで見つかる不具合です。構築代行のあとで止まったアカウントは、作り直しを考える前に、まずこの3点を点検すると、立て直しにどれくらいの手間がかかるかが見えてきます。

5. 自社で回すなら週10〜15時間:担当1人・週数時間なら外部に任せる

Lステップを自社で回すには、担当者の時間がまとまって要ります。立て直しを手伝ったあと自分たちで回せるようになった会社では、運用に1日2〜3時間ほどかかっていました。週5日で計算すると、2〜3時間×5日=週10〜15時間ほどです。

「もっと学ぶ」より先に、時間があるかを確かめる

使いこなせないときの解決策として、研修を受ける、機能を学ぶ、といった方法がよく紹介されます。知識が増えれば、打てる手は確かに増えます。ただし現場では、知識があっても運用の時間がなければ、設定の確認も配信の改善も後回しになっています。

担当者が1人で週に数時間しかさけない会社が、自社だけでLステップを立て直すのは、そもそも現実的ではないと私たちは考えています。週10〜15時間ほど必要なものを週数時間で回そうとすれば、どこかが抜けます。4章で見たような「作ったのに動いていない設定」も、こうした状況で生まれやすくなります。

判断の目安:運用に使える時間で体制を決める

私たちが勧める体制は、担当者が運用に使える時間によって次のように分かれます。

状態勧める形
担当者が週10〜15時間ほど運用に使える自社で運用する
担当者1人で、週に数時間しかさけない外部に委託する
委託の費用がどうしても出せない友だち追加時設定と定期配信だけに絞って自社で運用する(6章)

また、友だち数が3,000人以上のアカウントは、Lステップで立て直す価値が大きいと私たちは見ています。4章の試算のとおり、友だちが多いほどパック化の漏れのような小さな不具合がコストに大きく響きます。そのぶん、出し分けやシナリオが正しく動きだしたときの差も大きくなります。

次の図は、3つの体制を「向いている状態」「使う機能」「担当者の時間」で比べたものです。

Lステップの運用体制の比較:自社で運用(週10〜15時間ほど使える/必要な機能を一通り/1日2〜3時間ほど)、絞って自社運用(委託の費用が出せない/友だち追加時設定と定期配信/配信1本1〜2時間・週1回目安)、外部に委託(担当1人で週数時間/必要な機能を一通り/社内で抱える作業が少ない)

図からわかるのは、時間がない会社ほど「使う機能を減らす」か「人に任せる」かを選ぶ必要があるということです。どちらも選ばず、すべての機能を週数時間の担当者に抱えさせると、また止まったアカウントに戻ってしまいます。

委託するときも、点検の結果は手元に持っておく

外部に任せる場合も、2〜4章の点検の結果を手元に残しておくと話が早く進みます。友だち追加時設定のどこが抜けているか、シナリオは動いているか、パック化されているかがわかっていれば、委託先と「どこから直すか」をすぐに決められます。自社に何が足りないかを把握したうえで任せるほうが、任せた後の判断もしやすくなります。

6. 外部に任せられないときは「友だち追加時設定」と「定期配信」だけに絞る

委託の費用が出せない場合、私たちは友だち追加時設定と定期配信のみに集中して運用するようお願いしています。上位の記事の多くは、覚えるべき機能や施策を足していく方向で書かれています。しかし時間が限られている会社では、機能を足すより減らすほうが、止まらずに回ります。

残すもの・止めるもの

次の表は、絞って運用するときに残すものと、いったん止めるものの一覧です。

区分対象理由
残す友だち追加時設定すべての友だちが通る入口で、2章の必須設定がここに入る
残す定期配信友だちとの接点を途切れさせない
いったん止める新しいシナリオづくり作っても動作確認の時間が取れず、4章のパターン3になりやすい
いったん止めるタグやリッチメニューの作り込み付け方を管理しきれず、粒度が崩れやすい

止めるといっても、作ったものを消す必要はありません。時間ができるまで新しく増やさない、という意味です。入口と定期配信の2つが確実に動いていれば、データはたまり続け、後で体制が整ったときに使えます。

定期配信は週1本・1本1〜2時間を目安にする

定期配信は、週に1回(月に4回)を目安に、1本あたり1〜2時間ほどで作業を区切ってもらいます。月にすると、4本×1〜2時間=月4〜8時間ほどです。時間に上限を決めておくことで、1本の配信に何日もかかって次が出せなくなる状態を防げます。

もちろん、必ず週に1回配信しなければいけないわけではありません。続けられる間隔を決めて守ることのほうが先です。テキストとバナーを一緒に送るなら、4章のパターン1のとおり、パック化を忘れないようにしてください。

最初の1か月の進め方

絞った運用を始めるときは、次の順番で進めます。

  1. 1週目:友だち追加時設定を開き、友だち追加日とCVまでの日数が記録されるかを確認する。抜けていれば足す
  2. 1週目:過去の配信履歴を見て、パック化されていないテンプレートがないかを確かめる
  3. 2〜4週目:週1本の定期配信を、1本1〜2時間の範囲で作って送る
  4. 月末:決めた時間の中で配信を出し続けられたかを振り返る

この進め方でも時間が足りないと感じたら、5章の表に戻って体制を見直す合図です。週数時間の中で入口と定期配信さえ回らないなら、自社で抱え続けるより、外部に任せるほうが現実的になります。

まとめ:Lステップは機能を覚える前に「土台」と「時間」をそろえる

明日からできること

管理画面で友だち追加時設定を開き、「友だち追加日を記録しているか」「CVまでの日数を計測できるか」の2点を、紙1枚に○×で書き出してください。×が1つでもあれば、そこがあなたのアカウントの最初の直しどころです。

よくある質問

Lステップで成果が出ないとき、最初に見直すところはどこですか?

友だち追加時設定です。友だち追加日の取得やCVまでの日数の計測が入っていないと、配信を改善しようにも判断の材料が残りません。そのあとにタグと友だち情報欄、シナリオ配信の順で確認します。

構築を外注したけど、自分たちで運用できません。どうすればいいですか?

まず、テンプレートのパック化、タグと友だち情報欄の使われ方、シナリオ配信が作動しているかの3点を点検します。そのうえで、担当者が週10〜15時間ほど運用に使えるかを確かめます。時間が取れないなら、運用を外部に任せるほうが現実的です。

Lステップは担当者1人でも運用できますか?

週10〜15時間ほどを運用に使えるなら、1人でも回せます。週に数時間しかさけない場合、自社だけで全機能を回すのは現実的ではありません。どうしても自社で行うなら、友だち追加時設定と定期配信だけに絞ります。

定期配信は毎週しないといけませんか?

必ず毎週配信しなければいけないわけではありません。私たちは週1回・月4回ほどを目安に、1本あたり1〜2時間で作業を区切るよう勧めています。まずは続けられる間隔を決めて、それを守ることを優先してください。

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熊野 孝城郎

WRITER

熊野 孝城郎

株式会社Sales Index 代表取締役/LINEマーケティング ディレクター

前職では新規開拓の営業に従事。ひとりで売上を伸ばすことの限界と、人のつながりが生む成果の大きさを実感し、2025年2月に株式会社Sales Indexを設立。D2C企業のLINE公式アカウント構築・運用と、CRM設計による売上改善を手がける。

法人営業 経験6年 Lステップ正規代理店 養成講座 第3期 グランプリ受賞

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